5月14日に『クジラの消えた日』のユーリー・ルィトヘウさんが、6月10日に『白い汽船』等のチンギス・アイトマートフさんが、相次いで世を去られました。
ルィトヘウさんはチュクチ、アイトマートフさんはキルギスの代表的な作家です。
そして今度は、アナトーリー・プリスターフキンさんが・・・。
Страна провожает Анатолия Приставкина
アナトーリー・プリスターフキンさんはロシアの良心。
『コーカサスの金色の雲』は、チェチェン問題を語る上で必読の作品。
戦争で孤児になってモスクワからチェチェンに送られてくるロシア人の双子。
ロシア人に土地を追われたチェチェンの人がロシアから来た彼らの孤児院を襲う。
互いに肉親を殺されたチェチェンとロシアの子ども。
でも彼らは復讐し合うのではなく、助け合う。
それでも、大人たちによって引き離されてしまう(映画「金色の雲は宿った」ではいっそうそれがはっきりする)。
痛ましく、美しく、泣かされる。
プリスターフキンさんは、人々の根深い残酷さ、無関心さに傷つきながら、それでも復讐ではなく、助け合う子どもたちに希望を託し、語り続けてきた方だった。
この方の訃報は、まだ絶対に聞きたくなかったのに。
断崖は物思いに沈み
荒野に一人で泣いている
(レールモントフ「断崖」1841年橋都紅訳)
今シーズンからテレクはグローズヌィのスタジアムでホームの試合を開催することができるようになった(実に14年ぶりに!)わけだけど、チェチェンがほんとうによくなっているのかどうか、私にはわからない。
きっとあなたはまだこの星から旅立ってはいけなかった・・・。
でも、あなたも駆け上って行ってしまわれたのですね、金色の雲の中に。
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