2011年3月6日日曜日

さようなら、谷よ(2008/08/06 0:18:00)

同僚に「ロシアのノーベル賞作家が亡くなったそうですね」と言われた。
どうも彼女は<ソルジェニーツィン>という固有名詞を知らなかったっぽかった。
実際に作品を読んだかどうかはともかく、現代ロシアの文学者の中では一番知名度のある人かと思っていたけれど、それでもこの程度か・・・。
(あと、私の弟はレフ・トルストイのことを「名前は聞いたことがあるような気がするけど、どういう人?」と言っていた。母がせっかくウラジーミル・トルストイさんのサインを誇らしげに見せたのに。←サインを貰ったのは私です!)
 
ソルジェニーツィン。
彼の小説は凄いと思う。『イワン・デニーソヴィチの一日』といい、『収容所群島』といい、『ガン病棟』といい。(『ガン病棟』は読みかけたところで、身近な人間が罹病したため何となく読みづらくなってと、上巻だけでとまっている)。
しかし・・・彼の存在自体は既に過去、という意識になっていた。
昨年、ソクーロフ監督のドキュメンタリー映画「ロストロポーヴィチ、ヴィシネフスカヤ」(邦題「ロストロポーヴィチ~人生の祭典」)で、ロストロポーヴィチの誕生祝いに出席している様子が映っていたので存命なのは知っていたが。
ロシアに帰国してからは、音楽家の息子を無理に売り込もうとしているとか、ちょっと評判を落とすような話が続き、あんまり印象はよくなかった。
 
7月下旬の講演会においてウラジーミル・トルストイさんがソルジェニーツィン(やラスプーチン)を高く評価して、私は意外に感じました。
 
このところ、ロシアの文学関係者の訃報が相次いでいて(ルィトヘウ、アイノマートフ、工藤精一郎、工藤幸雄)、ソルジェニーツィンも遂にそれに連なってしまった。
でも、よりショックであったり、悲しみを強く感じたのは、高杉一郎さんと、アナトーリー・プリスターフキンの訃報だった。

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