2011年3月5日土曜日

ピカソの女たち、チェーホフ短編集(2008/01/24 1:05:12)

このところおとなりブログに「ピカソの女たち~オルガ」で訪れる方がいらっしゃるのは、演劇について書かれたブログがあまり多くないからなのでしょうか。
 
せっかくなので、もう少し詳しく書いておきましょう。
はっきり言って、これはお薦めです!
 
私は「ビエンナーレKAZE2005」で観ました。このときはアラ・メンシコフ(演出のペトル・ヴトカレウの奥さん)演じる「ジャクリーヌ」との二本立てでした。
「ジャクリーヌ」もなかなかよかったけれど、それ以上に辻由美子さんの「オルガ」は圧巻でした。国際的な演劇フェスティヴァルで賞を獲りまくったというのもうなづけます。
あ、でも、これはまず、<ピカソと関係を結んだ8人の女性のモノローグ>として書かれた脚本の勝利だとも思うのです。
8人の女たちを1人の女優が演じ分けるるもよし、8人の女優がそれぞれ演じるもよし、どれか一つ二つ取り出して演じるもよし、・・・と様々な演じられ方ができるという、面白さがあって。
<最初の女>(オルガ)・<最後の女>(ジャクリーヌ)以外の女たちについても、舞台で観たいものです。
 
オルガ(ロシア風に言えばオリガ)・コクロヴァはバレエ・リュスのバレリーナだった人で、まさにバレエ・リュスの場でピカソとも出会ったのです。
ちょうど映画「バレエ・リュス」も公開中です。ご覧あれ。バレエ・リュスといっても、この映画はディアギレフ死後のマシーンやバランシンが率いていたバレエ・リュス・モンテカルロの時代のお話なので、オリガさんは登場しませんが。
 
それから。
1月26日~2月3日にあうるすぽっとで「山崎清介のチェーホフ短編集~マイケル・フレイン翻案<くしゃみ>より」の上演があるようです。
この演出家さんは、かつて東京グローブ座で「子供のためのシェイクスピア」をやっていた人ですね。
ええと、思わず過去形にしてしまったのは、「子供のためのシェイクスピア」の公演は今でもやっているのですが、せっかくの本格的な劇場である東京グローブ座がジャニーズ事務所用になってしまって、こういうのはやらなくなってしまったので、場所をかえざるを得なかったのです、という意味です。
私が観に行ったのは98年の「ヘンリー4世」でした。
<子供のための>と銘打ちながら、<子どもだったら絶対に退いてしまうぞ!>と感じた、駄洒落オンパレードの幕開け・・・。ちょっと不安を覚えましたが、馴染んでしまえば大丈夫だった。よかったです。シェイクスピアのなかでも、どちらかといえば上演機会の少ない劇で、これしか観ていなくて比較できないとはいえ、不気味な後味が結構記憶に残っています。
これからは「子供のためのシェイクスピア+チェーホフ」となって、チェーホフの戯曲も取り上げるようになるわけか。
演目を見ると、「熊」「プロポーズ」「タバコの害悪について」等々、外れはなさそうな一幕物です(イッセー尾形さんなんかがやっていたりする)。
<翻案>とあるからには、チェーホフそのものではない?それと、ちょっと気になるのはフレインが英訳したものを小田島恒志先生が翻訳、という重訳であること。小田島恒志先生、シェイクスピアの翻訳ばかりでなく、チェーホフも手掛けていらっしゃるのだけれど、どことな~く違和感を覚える場面がないではないです、ということ。
 
どちらも観に行きたいところなのですが、現在お仕事がいとど忙しく、銀行口座に振り込まれたお給料をおろしに行く間もないほどなのです。
マリインスキーのオペラのチケットを買っていなくて、これは正解だったと言えましょう。ああ、悲しい。ああ、「ホヴァーンシチナ」が、「イーゴリ公」が、すぐ近くまで来ているのに!

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