2011年3月5日土曜日

デートに向かない(2008/03/03 14:25:37)

昨日は一人で両国のシアターΧに劇団キンダースペースの「チェーホフ的チェーホフ」を観に行ってきました。公演期間が短いので、観劇日時は選択の余地なく、友人知人をお誘いする間もなかったのは残念です。私は、お芝居やコンサートは誰かと行ってすぐにその感想を語り合いたいと思っているのです。
でも、映画は一人で観に行くのが好き。お芝居なんかとどう違うのかよくわからないけれど、映画の場合、感動は一人でじっくり噛み締めながら家路につきたいと感じているのです。
実際、映画を観に行くのに、待ち合わせをして、一緒に列に並んで、席も並んで座って・・・なんていうのは、このところしていない。行った先で知り合いと顔を合わすということは偶にあるけれど。映画祭で「その日時しかない」場合もあるし。
振り返ってみると、誰かと一緒に観に行った、というのは、結局デートだったという場合が多く、観終わった後妙な間合いになってしまった、といういくつかの経験が、今や「映画は一人で観に行く」というスタイルを形成するに至ったのかもしれない、と思われます。要するに、その観た映画っていうのがいかにもデート向きではなかった、というわけで。
その一 エレム・クリモフの「炎628」
が~~~ん!!ですよ、これは。映画館ではなくて、どこかの公会堂でした。何を背伸びしたんですかね。戦争はおじさんたちがやるもんだという意識があったのに。少年パルチザンというと悲壮な決意を胸に秘めた美少年という先入観があったのに。主人公はほんとにそのへんにいるような(というより一緒に観に行ったその子を彷彿とさせる)さえないぼ~っとした感じの男の子なのです。二人で黙っ~て会場を後にして、電車に乗って家に帰りました。その間ずっと無言。
その二 宮崎駿の「魔女の宅急便」
「炎628」同伴の男の子は、近所の年下の子だったのですが、こっちは一応憧れの先輩だったのでした。お客さんにはお子様連れ多し。私は上映が始まってほどなく、作品に入り込んでしまい、スクリーン上に猫が出てきて「にゃあお」と鳴くと、反射的に「みゃあお!」と返事をしていたそうです、周りのお子様たちと同様に。「猫、好きなんだね」と言いながら、憧れの先輩はかなり呆れていました。
その三 吉川晃司が出演していた「ユー・ガッタ・チャンス」
当時、私は吉川晃司のファンだったのです。それほど熱心なファンではないにしても。歌舞伎町で上映されるというので、ボディーガード用というかお守役というか近所の年上の男の子が連れて行ってくれたのですが、彼は隣で爆睡していました。つきあわせてしまってすみません。
しかし、「炎628」。絶対的にデートには向きませんが、傑作・力作・名作。DVDが出ているのですが、できればスクリーンの大迫力の中で鑑賞されることをお勧め。私の幻想を打ち破る非・美少年(しくこく書いてしまうが、私は少年パルチザンは美少年がやるものだと思っていたのだ)だった主役のクラフチェンコがその後俳優になって、B級アクション映画に出演していることを知って驚愕しました。
この「炎628」が、親に連れられて観たのではない、自主的に選んで観に行った、初めての旧ソ連圏の映画になるのだと思います。これさえ観ておけば、このあとどんなリアル系の作品が来ても怖くないですよ。という点からもお勧め。

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