『ライサという名の妻』という、高橋たか子という人が書いた本を読んでいる。
この人のことは知らないが、カトリックの信徒のようだ。
それはともかく、耐えがたい日本語だ・・・。
自分の文章を書いている部分の日本語も変なのだが、フランス語の資料の訳の部分は読者にわかりやすい文章に訳すということをはなから放棄しているようだ。
関係代名詞によって接続している複文は、頑なに文頭から訳すことに決めているようです。
しかしそれでも、この人のファンというのはいるらしい。それはそれでご勝手にどうぞ。
・・・なのだけれど、それとは別の問題で。
「わたしたちがロストフ・シュール・ル・ドンから来たのだ、と、わたしは母から知った。」(46ページ)
ああ、ロストフ・ナ・ドヌのことですね。
ロストフ・ヤロスラヴリ(またはロストフ・ヴェリーキー「偉大なロストフ」)と区別するために、ドン川岸にある方の都市ロストフを「ロストフ・ナ・ドヌ」と読んでいるのですが、そのフランス語訳をそのまま載せてしまっているわけだ。
しかし、これではいかにもフランス語風の地名じゃない?ローヌ川あたりにありそう。訳していて変だと思わないのかしら。
・・・って、そういう気をまわす人だったら、ぎこちなくてしかたない、変な文章をそのまま刊行してしまうなんて神経は持たないだろう。
『イスタンブールの群狼』という歴史絡みのミステリーは、酒井啓子さんの書評に惹かれて、読んでみました。
何せ、「西アジアのイケメングルメが主人公の小説なんて、そうそうあるものではない」というので、大いに期待して。
そう。まあまあ楽しめました。
なんだかボリス・アクーニンの『アザゼル』あたりに似ているような気がしながらも。
ここでも惜しいのは、「ペテルスブルグ」とか「ベルグラード」とか、変な地名が出てきてしまうこと。
作者はイギリス人なので、原文は当然英語で、上の二つも英語読みの地名なのですが、やっぱり「ペテルブルグ」「ベオグラード」としてほしいな。ロストフ・ナ・ドヌなどよりずっと有名な、大都市、首都クラスの都市ですからね。
0 件のコメント:
コメントを投稿