1月に観た映画、7本。
さて、今日は映画の日。まとめて3本観ました。今日お休みするため今週はずっと残業続きでした。
まずは恵比寿で「ぜんぶ、フィデルのせい」です。題名がいいですね。思わず観に行ってしまいました。
73年のパリ。弁護士の父、雑誌記者の母が突然コミュニストになってラディカルな活動に入ってしまった!(ほんとうは深い事情があってのことなのだが、子どもにとっては理不尽にも突然の変化なのである)亡命キューバ人のお手伝いさんによれば「みんな、フィデルのせいだわ」
いまから35年前というと、スペインやギリシャは独裁政権(映画には出てこないけれどポルトガルも)で、チリでは選挙で誕生した社会主義政権のアジェンデ大統領がピノチェトのクーデターで命を落とした年。ずっと前に観た映画「歌姫カルメーラ」や「ミッシング」「Z]などを思い起こさせるが・・・実は監督のジュリー・ガヴラスはコスタ・ガヴラスの娘で、だからこそ原作にはなかったアジェンデ政権の誕生と崩壊のエピソードを敢えて加えたのだそうだ。
こういった世界的な政治の動きを背景に描きながら、社会主義国の親玉であったはずのソ連や中国のことは一切出てこないのも、私には不思議な気がしたのだけれど、この年代にはこれらの国より南欧やラテンアメリカでの独裁政権に抗する運動に連帯する方がトレンドだったということなのでしょうか。あと、このころのコミュニストって、ほんとに皆鬚面だったのでしょうか?
残念ながら??肝心のフィデルが登場する場面はありません。アンナは、ご両親やフィデルの理想とする社会について理解したのだろうか?そこはあまりはっきり示してはいない。
フィデル、私にとってはあんまり馴染みはなかったからなあ。フィデルのこと、かっこいいかも、と思うようになったのは大人になってからだ(というか、実は去年「コマンダンテ」を観てからです)。
中途半端な昔という感じの70年代、私にとっては全くよくわからない時代なのだ、と自覚しました。
それから急いで有楽町に移動して、なんとか「ヒトラーの贋札」に滑り込む(予告編が始まっていた)。実話に基づく重い話。さすがにアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされているだけあって、息詰まる展開で飽きさせません。<自分の命が助かる道を選ぶか、信念を貫いてサボタージュするか、しかしそうしたら自分や仲間の命を危険に晒す・・・>という究極の選択。この映画の皆さん、ちょっとかっこよすぎだったけれど。
オデッサ出身の美術学生コーリャ役のセバスチャン・アーツェンドウスキ、いかにもロシアやウクライナにいそうな若者の顔をしています。描いた風景画はよく見えなかったけれど、一目でオデッサとわかるところをみると、大階段が描かれていたのだろうか?ドイツ側の親衛隊指揮官の役って、どの映画でも似たような人がやっているような気がするけれど、キャスティングは重複しているのでしょうか?ちなみに今回の親衛隊少佐役のデーヴィト・シュトリーゾフは「ヒトラー最期の12日間」に出演しているとのことですが、「ブラックブック」とかにも出ていませんでしたかね~??
最後は今日最終日だった「その名にちなんで」 これは原作本が気に入っていたので見逃したくなかったのです。映画化したのがミーラー・ナーイルという願ってもないものだったし。でも、やっぱり原作の方がよかったな。私は、原作中、主人公ゴーゴリのお母さんがアメリカのジャンクフードの中でいろいろ食材を工夫してベンガル風のお料理を作っていく場面が好きだったのです(『亡命ロシア料理』なんぞを思い出す)。でもそこいらはばっさりカットされていました。
しかし、これを観てゴーゴリを読んでみよう!と思う人がいてくれるといいなあ、とは思います。文豪ゴーゴリは、確かに超変人ですが、偉大です!ロシア文学はプーシキンとゴーゴリあってのもの。レフもアントンも、「みんなゴーゴリの『外套』から出てきた」って、これ、現代アメリカやインドでも伝わっているのですね。
さて、今日は映画の日。まとめて3本観ました。今日お休みするため今週はずっと残業続きでした。
まずは恵比寿で「ぜんぶ、フィデルのせい」です。題名がいいですね。思わず観に行ってしまいました。
73年のパリ。弁護士の父、雑誌記者の母が突然コミュニストになってラディカルな活動に入ってしまった!(ほんとうは深い事情があってのことなのだが、子どもにとっては理不尽にも突然の変化なのである)亡命キューバ人のお手伝いさんによれば「みんな、フィデルのせいだわ」
いまから35年前というと、スペインやギリシャは独裁政権(映画には出てこないけれどポルトガルも)で、チリでは選挙で誕生した社会主義政権のアジェンデ大統領がピノチェトのクーデターで命を落とした年。ずっと前に観た映画「歌姫カルメーラ」や「ミッシング」「Z]などを思い起こさせるが・・・実は監督のジュリー・ガヴラスはコスタ・ガヴラスの娘で、だからこそ原作にはなかったアジェンデ政権の誕生と崩壊のエピソードを敢えて加えたのだそうだ。
こういった世界的な政治の動きを背景に描きながら、社会主義国の親玉であったはずのソ連や中国のことは一切出てこないのも、私には不思議な気がしたのだけれど、この年代にはこれらの国より南欧やラテンアメリカでの独裁政権に抗する運動に連帯する方がトレンドだったということなのでしょうか。あと、このころのコミュニストって、ほんとに皆鬚面だったのでしょうか?
残念ながら??肝心のフィデルが登場する場面はありません。アンナは、ご両親やフィデルの理想とする社会について理解したのだろうか?そこはあまりはっきり示してはいない。
フィデル、私にとってはあんまり馴染みはなかったからなあ。フィデルのこと、かっこいいかも、と思うようになったのは大人になってからだ(というか、実は去年「コマンダンテ」を観てからです)。
中途半端な昔という感じの70年代、私にとっては全くよくわからない時代なのだ、と自覚しました。
それから急いで有楽町に移動して、なんとか「ヒトラーの贋札」に滑り込む(予告編が始まっていた)。実話に基づく重い話。さすがにアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされているだけあって、息詰まる展開で飽きさせません。<自分の命が助かる道を選ぶか、信念を貫いてサボタージュするか、しかしそうしたら自分や仲間の命を危険に晒す・・・>という究極の選択。この映画の皆さん、ちょっとかっこよすぎだったけれど。
オデッサ出身の美術学生コーリャ役のセバスチャン・アーツェンドウスキ、いかにもロシアやウクライナにいそうな若者の顔をしています。描いた風景画はよく見えなかったけれど、一目でオデッサとわかるところをみると、大階段が描かれていたのだろうか?ドイツ側の親衛隊指揮官の役って、どの映画でも似たような人がやっているような気がするけれど、キャスティングは重複しているのでしょうか?ちなみに今回の親衛隊少佐役のデーヴィト・シュトリーゾフは「ヒトラー最期の12日間」に出演しているとのことですが、「ブラックブック」とかにも出ていませんでしたかね~??
最後は今日最終日だった「その名にちなんで」 これは原作本が気に入っていたので見逃したくなかったのです。映画化したのがミーラー・ナーイルという願ってもないものだったし。でも、やっぱり原作の方がよかったな。私は、原作中、主人公ゴーゴリのお母さんがアメリカのジャンクフードの中でいろいろ食材を工夫してベンガル風のお料理を作っていく場面が好きだったのです(『亡命ロシア料理』なんぞを思い出す)。でもそこいらはばっさりカットされていました。
しかし、これを観てゴーゴリを読んでみよう!と思う人がいてくれるといいなあ、とは思います。文豪ゴーゴリは、確かに超変人ですが、偉大です!ロシア文学はプーシキンとゴーゴリあってのもの。レフもアントンも、「みんなゴーゴリの『外套』から出てきた」って、これ、現代アメリカやインドでも伝わっているのですね。
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