2011年3月5日土曜日

ハーフェズ~ペルシャの詩(2008/01/19 21:43:57)

イラン映画は進化する!
好き嫌いが別れるかもしれないけれど、私は好き。
ジャリリ、やっぱり素敵。ジャリリって、美少年&美青年好きなのだと、つくづく思う。「トゥルー・ストーリー」のサマドくん、あの子は可愛かった。「少年と砂漠のカフェ」のプログラムにその後の彼の写真が載っていて、ああ、美青年になったと密かに嬉しかった。彼、今はどうしているのでしょうか、ジャリリ監督、教えてください!
日本が制作に関わり、女優に日本人(麻生久美子)を起用というので、一抹の不安がありました。ムサーコフ(ウズベキスタン)の「オイジョン~母」みたいな酷いことになっていやしまいか、と。
やっぱりいい作品を撮るには、普通はお金も手間もかけないとね。それが絶対条件ではないにせよ。
麻生さんは不自然さがないとは言えなかったけれど(ペルシャ語やアラビア語部分はかなりたどたどしい。なので、チベット帰りという設定にしたのでしょう。←イランの人から見ると、ああいう顔立ち(というか東アジア系)はチベットを想起させるのだろうか?)、まあまあでしょう。
主演のメヒディ・モラディさん、「アブジャッド」を観たとき、「自伝的作品の主役だからって、ジャリリもハンサムを抜擢したなあ」と感心した覚えがあり、印象には残っていましたよ。私はむしろ、もう一人のメヒディさん(ネガーバンさん)の方がタイプですけど。
映像が美しく(パラジャーノフが好きな人はきっと気に入る)、ペルシャ語の詩やクルアーンの言葉の響きがこの上なく美しく、時折差し込まれる民族楽器や男性舞踊にも心を揺すぶられる。
右に左にバイクで移動する様は乗り物好きのフドイナザーロフ、ジグザグ3部作を作ったキアロスタミを思わせ、同名の人物が追体験を重ねていく様子はキェシロスフキを思い起こさせる。けれど、やはりジャリリはジャリリなのだ。煉瓦にメッセージをこめる点は「ダンス・オブ・ダスト」、てくてく歩くのは「ぼくは歩いていく」、権威への不服従は「アブジャッド」等々、自作のそれぞれの作品をもオマージュしているようにも見える。
ひたむきなイランの若者の愛は「少女の髪どめ」などにもあった。ジャリリの世界はそれらにもましてストイック。やっぱり台詞は極端に少ない。爆睡する人はきっといるだろうなあ。私は最初から最後まで息をのんで観てしまいましたが!イラン映画は、そしてジャリリの映画は、より進化し、美しくなるのだなあ・・・と感動しながら。
ペルシャ語はすてき、なんて詩的に響くのだろうと、イラン映画を観るたびに思うけれど、その思いも今回はひとしお。
公式サイトはこちら。原題:هافظ

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