2011年3月5日土曜日

君のためなら千回でも(2008/02/22 22:39:33)

は、アフガニスタンでは頼まれごとに対して返す言葉なのだそうで、ロシア語でいえばС удовольствием!に近いだろうか。Тысяча раз, если ты хочешь.
原題はThe Kite Runnerなので、よい邦題をつけたものだと思います。最初聞いた時には「川の流れに草は青々」みたいな台湾映画かと思ったものでしたが。
ただ、内容としてはちょっと期待はずれだった。前半はなかなかよかったのだけどね。せっかく西アジアの可愛い男の子たちが出演しているのに。後半が説得力のない、相当めちゃくちゃな展開になって気持がそがれてしまった。やっぱりアメリカ映画な終わり方だし。「ウェルカム・トゥ・サラエボ」みたいというか。
じーんとくるのはお父さんの姿です。何をやっているのかわからないけどお金持ちで、正義感があって勇気もあって、立派な人で周囲の人に尊ばれているのに、息子と心を通わせることができないでいる。そこに「身分の低い子ども」が絡む話というと、私の大好きなキーラ・ムラートヴァの「灰色の石の中で」ではないですか。(←原作は『悪い仲間』)はっきり言ってムラートヴァの方が千倍いいわ!
孤児院の院長さんの言葉も胸にしみる。「あんたは子どもを一人アメリカに連れ帰ってそれで終わり。ここに戻ってくることもない。夜中に子どもたちの泣き声を聞くこともない」
で、結局そうなってしまうのですものね。しかも、現実の世界では、その後アメリカはアフガニスタンを攻撃して、幾多の子どもを殺し、あるいは孤児にしたわけだよ。
罪が贖えたようには全然思えない。

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