2011年3月5日土曜日

お次はカンディンスキー(2008/02/23 11:34:22)

そろそろだと手ぐすね引いていた東洋書店のユーラシア・ブックレットの新刊が出ました。わ~い!
http://www.toyoshoten.co.jp/linguistics.html
いつもながら、「これこれ!これを調べようとして手頃なガイドブックが見つからなかったのよ」という分野と、いかにもタイムリーな企画とがどんぴしゃり。いいな。早く読みたい。
No.116 カンディンスキー -抽象絵画の世界を開く- 江藤光紀 著 ISBN978-4-88595-746-8
前回(10月)のムソルグスキーに続く、芸術家列伝は、ヴァシーリー・カンディンスキー。「ロシア絵画」の巨匠というと、今東京富士美術館で開催中の「ロシア絵画の黄金時代」に出てくるような、レーピン、シーシキン、カラムスコイ、アイヴァゾフスキーといった面々でしょうが、残念なことに日本ではあまり知られていませんね。一番名前が知られているのはカンディンスキーかシャガールということになると思います。どちらもロシアから他国に国籍をかえてしまいました(シャガールは現ベラルーシ出身)。
No.117 ペテルブルグ舞台芸術の魅力 -演劇とバレエ案内- 堀江新二 他 著 ISBN978-4-88595-747-5
ロシア演劇通と言えば堀江先生。東静岡にロシアのお芝居を観に行くと、堀江先生もゼミの学生さんたちを引き連れて大阪からいらっしゃっているのです。来日公演の数ではバレエ・オペラが演劇を圧倒していて、今の情勢ではますますこの傾向は強まるでしょう。バレエとオペラのチケットの高騰はどうにかならないものか。せっかく来ていてもあれでは観に行けないですよ。この本を読んで「観に行かなきゃ!」と思っても。
No.118 シベリア鉄道 -洋の東西を結んだ一世紀- 藤原浩 著 ISBN978-4-88595-748-2
最近、80年代のお宝映像とともに現在のシベリア鉄道を撮った番組がNHKの衛星放送であったようで、話題になっていました(我が家では衛星放送は観られません)ので、なかなかの旬のものです。世界一長い鉄道ですから、さぞや世界の鉄ちゃん・鉄子のあこがれの的でありましょう。私の祖母は60年代末に横浜→ナホトカ~シベリア鉄道経由~モスクワ→ワルシャワ・ソフィア・パリと旅行したそうですが、シベリア鉄道については「料理は油っぽいものばっかりで、景色は一週間同じ!」とあまりよい印象を持っていないように話していました。が、母には「シベリア鉄道の旅は楽しかった」と言っていたそうです。もっと話を聞いておけばよかった。
No.119 「おおきなかぶ」のおはなし -文学教育の視点から- 田中泰子 著 ISBN978-4-88595-749-9
「おおきなかぶ」「大きなしらかば」「ヴィーチャと学校友だち」「信号」、教科書に載っていたロシア・ソ連の児童文学、もっとあったかしら?田中泰子さんは、先日亡くなられた高杉一郎さんの娘さんで、私の愛読書『まほうの馬』の共訳をされてもいる、ロシア児童文学分野の大御所。日本で発行されるロシアの絵本についてのコメントは、訳文・挿絵・装丁にいたるまで、辛口のものが結構多いです。
No.120 カスピ海エネルギー資源を巡る攻防 輪島実樹 著 ISBN978-4-88595-750-5
前回も2点エネルギー・資源・経済分野のものが刊行され、この方面に滅法弱い私にも何とか読みとおせるくらいのレベルできちんと解説されていたので大変ありがたかった。スタンスとしても、ロシアのみに肩入れするでもなく、無論妙に仮想敵国的な扱いをするでもなく、バランスがとれていて、感心しました。これはその続編ということでもないけれど、ロシア・イラン関係のことも取り上げられているでしょうか。

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