いつになく、真面目なタイトルです。が、わたしのことですから、いつまで真面目でいられることやら。
私のロシア文学遍歴は、エレンブルク、イスカンデール、ドブラートフといった「非ロシア人作家」たちから始まったというのは、書きましたよね。
90年代半ば、ロシア・旧ソ連についての本を、単に興味関心の赴くまま、どんどん図書館から借りてきて読みあさるようになりました。
新刊情報は新聞などで集め、できる限りは目を通しました。
文学だけではなく、理系のもの・政治経済分野といった苦手な領域のものも、とにかく読む、というスタンスで。
お勉強のためというより、そうしたかったから。おもしろかったから。
ロシア(+旧ソ連圏)についての本というのは、意外と出ているもので、まじめにチェックしているととても追いつかないし、かなりいい加減に殆どタイトルだけのチェックでも結構なもので、そうなっていると「現代もの」の情報はある程度カヴァーできているのですが、「教養」たる古典ものにはなかなか手がつけられないことになってしまいます。
日本では、<ロシア文学>というと、やはりトルストイ・ドストエフスキー・プーシキン等々の巨匠たちの作品を思い浮かべるでしょうが、私のロシア文学の知識はやはり現代の文学の方に偏りが出来てしまう。
(沼野充義先生のご著書『スラブの真空』『屋根の上のバイリンガル』『モスクワーペテルブルグ縦横記』はよく読んだもので、それらがとってもおもしろかったこともあります。)
この点は今に至るまでジレンマではあるのですが。そして、今でもこういうタイトルの本には飛びついてしまうのですよ。『トラウマの果ての声~新世紀のロシア文学』
思いっきり私好みの本です。
「Ⅰ 日本語で読む現代ロシア文学を読むためのブックガイド」
ここで挙げられている作品は、さすがにほぼ読んでいたので、難しいことはなく、読み飛ばせる感じ。
(「ナイト・ウォッチ」について、<正しい生き方を探して苦悩する人々を魔界のイメージで描いている>というのは興味深い指摘だと思いました。映画作品からはそういう面が欠落しまったかもしれません。)
それよりもありがたかったのは、未邦訳の作品を紹介している
「Ⅱ ソヴィエト後のソヴィエト作家たち」
「Ⅲ 新しい巨匠たち」
「Ⅳ X世代からY世代へ」
これらの章です。ふ~ん、あの人がそんな作品を?!という驚きが。詳しい説明はしませんので、皆さん、実際に読んでください。
それと、
「Ⅴ ソヴィエト文学の今」
これは昨夏オデッサに行く前に読んでおきたかったわ。
岩本先生、1年早く、せめて半年早く出してくださればよかったのに・・・。
なお、私が訪れたオデッサの文学博物館のメインは、プーシキンを筆頭とするロシア文学者たちでした。
プーシキン、レールモントフ、トルストイ、ドストエフスキーを「我らが巨匠たち」としているのに、ウクライナの作家たちに関する展示は殆どありませんでした。
それから、私が一番期待していたオデッサ出身の作家たちの展示室は・・・<修復中>と書いてあり、埃が被ったままになっていました。
(「バーべリを観たかったのに!」とか学芸員にちょっとごねてみたけど、入れてくれなかった。)
そんなことがあって、オデッサには是非再訪したいと思っているので、これからでもいいので、オレーシャやバーべリやイリフとペトロフの邦訳がどんどん出るといいなあ。
どなたかやってくださいませ。
(やっぱり適当な文章になってしまった・・・。)
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